「リスタートからの逆転劇」月商8倍を実現したリブランディングとメディア戦略

Speakers
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    川本傑

    株式会社シコメルフードテック 代表取締役CEO

Interviewers
  • 南坊泰司

    株式会社manage4代表取締役/マーケティング・ディレクター

  • 北尾昌大

    北尾企画事務所 クリエイティブディレクター

株式会社シコメルフードテックは、飲食店やフード提供事業者向けに、仕込みを外注できる経営サポートサービス「シコメル」を開発・運営しています。人材不足の解消や経営効率化を支援し、顧客満足度の向上にも貢献。しかし、成長フェーズを迎えるなかで、ミッションとやバリューの再定義をはじめ、事業全体のブランド設計が求められる段階に入ってきたといいます。 本案件では、代表の南坊泰司と、manage4とタッグを組むクリエイティブディレクター北尾昌大が、同社のリブランディングから事業成長に向けたプロジェクトを継続的に支援しています。

東京進出と成長フェーズに必要だった外部の力

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南坊泰司
南坊泰司

あらためて、本プロジェクトを弊社へご依頼いただいた経緯を教えてください。

川本傑
川本傑

ちょうどシコメルフードテックが大阪から東京へ本格的に進出するタイミングでした。それまでは大阪のブランディング会社にお願いしていましたが、東京での展開を考えると、物理的な距離問題からスピード感に欠ける部分があったんです。スタートアップにとっては、細かい調整や判断をすぐに行えることが重要ですからね。

さらに事業的には、シリーズAを終えて次のシリーズBに移行する時期でした。本格的にグロースを仕掛けていくフェーズで、これまで以上にスピーディかつ的確にブランドを発信が求められていました。その状況を踏まえ、スタートアップの成長プロセスに強みを持つ外部パートナーを探してたんです。

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北尾昌大
北尾昌大

きっかけは、問い合わせフォームからのご連絡でしたよね。その後、私が審査員を務めていたICCサミットのピッチイベントでお会いする機会もありました。普段は知人からの紹介で始まることが多いのですが、直接のお問い合わせから始まったのは、私たちにとっても珍しいケースでした。

川本傑
川本傑

依頼を決めた最大の理由は、スタートアップの初期からグロース期までを横断的に理解している点でした。シード期の小さな施策から、テレビCMのような大規模なプロモーションまで対応できる会社は当時ほとんどなかったんです。多くの代理店は集客だけ、あるいは大規模広告だけに特化していて、その両方を横断できるパートナーは本当に稀でした。

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南坊泰司
南坊泰司

実際の打ち合わせでも、川本さんが抱えていた課題や狙いをすぐに共有できました。スタートアップ専門だからこそ、基礎から細かく説明しなくても共通認識を持てたのだと思います。

川本傑
川本傑

はい。普通は「どういうビジネスモデルなのか」「なぜ今この成長段階にあるのか」を丁寧に説明しないと理解してもらえないことが多い。でも、お二人の場合は最初から理解が早く、対話もスムーズでした。初めての打ち合わせの段階で「ここなら任せられる」と思えましたね。

北尾昌大
北尾昌大

我々としても、最初から「マーケティング支援」という狭い範囲にとどまらず、ミッションやバリューの再定義まで一緒に考える必要があると感じていました。立ち上げ期からグロース期へ移るタイミングでは、ブランドの言葉を刷新しないと組織全体が一枚岩になれない。その意味でも、最初に取り組んだのがまさにミッション・バリューの策定でした。

シコメル①

川本傑
川本傑

当時のミッションとバリューは、創業初期のメンバーだけで考えたコピーをそのまま載せていたもので、正直「何となく作ったもの」でした。でもこれからは、従業員全員が納得でき、対外的にも分かりやすい言葉が必要でした。改めて作り直すことから始められたのは、本当に良かったと思います。

南坊泰司
南坊泰司

スタートアップの成長過程では「なぜこの事業をやるのか」という根幹を言葉に落とし込み、社内外で共有することが重要です。共通言語を持つことで社員のモチベーションも高まり、外部への説得力も増しますから。

川本傑
川本傑

結果的に、その言葉づくりがシコメルの成長を加速させる第一歩になりました。

シコメルストアの立ち上げとハードシングスを超えたリスタート

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南坊泰司
南坊泰司

ミッションとバリューを刷新した後、最初に立ち上げたプロジェクトが「シコメルストア」でしたね。

川本傑
川本傑

「シコメルストア」は、仕込み済み食材や食品を扱う通販サイトです。営業活動で広げるのではなく、デジタルマーケティングを活用して広げていく構想でした。当初はアプリとして展開する案もありましたが、議論を重ねるなかで、まずはスピード感を優先し、ウェブサービスとして立ち上げる方向に舵を切りました。

南坊泰司
南坊泰司

私たちも、事業構造を踏まえながら「どう打ち出すか」「どんなチャネルをつくるか」を一緒に議論しましたね。アプリの名前や説明文からユーザー導線まで、細部にわたって改善を重ねました。既存ユーザーへのインタビューも実施し、その設計や質問フレームをこちらで用意しました。オンボーディングをどう設計すれば利用が広がるかを考え、実際の改善に落とし込んでいきました。

川本傑
川本傑

そうですね。単なるビジュアルや広告にとどまらず、冊子やLINE会員制度のような小さなアイデアも含め、幅広く試しました。プロダクトオーナーや社内メンバーと一緒に、フリーユーザーをどう増やすか、どうすれば継続的に利用してもらえるかを細かく検討したんです。そうした積み重ねの結果、サービスの基盤が整い、月商は約100万円から最終的に800万円へと成長しました。コツコツと積み上げてきた成果です。

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北尾昌大
北尾昌大

月商が8倍になったのは本当にすごいことだと思います。スタートアップは一気に跳ねることもありますが、シコメルさんの場合は地道な積み重ねで成長してきた。その過程を間近で見られたのは、私たちにとっても大きな経験でした。

川本傑
川本傑

ただ、その成長の裏には大きな試練もありました。最初のミッション・バリュー策定直後、業績が急激に悪化し、40人いた社員のうち20人をレイオフするという苦しい決断を迫られたんです。ちょうどコロナ禍の影響を強く受けていた時期で、高齢者施設や学校向けの給食事業が大きな負担となっていました。その事業をやめる決断をし、代表の交代も実施。いったん立て直す必要があったんです。半年ほど活動を休止し、「いまは耐えて状況が整うのを待つしかない」と判断したのです。

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南坊泰司
南坊泰司

いわゆる“ハードシングス”の真っ只中でしたね。我々としても、その時期に「どう立て直すか」を一緒に考えていました。川本さんが腹をくくって決断し、再スタートに踏み切れたのは本当に大きなポイントだったと思います。

川本傑
川本傑

ありがとうございます。お二人にも「少し待っていてください」とお願いして、状況が整った段階で再び伴走をお願いしました。リスタート後は「シコメルストア」を軸に、堅実に数字を積み上げていくフェーズに入ったんです。逆境を経て改めてスタートできたからこそ、今の成長につながっていると強く感じています。

川本個人のブランディングが切り開いたメディア露出と事業の広がり

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南坊泰司
南坊泰司

これまで事業そのものの成長について伺ってきましたが、スタートアップにとっては代表ご自身のキャラクターやブランディングも非常に重要です。川本さんにもその点を意識して取り組んでいただきました。

川本傑
川本傑

はい。SNSでの発信や代表としての立ち居振る舞いについても、多くのアドバイスをいただきました。たとえばXでの投稿内容に関して「こういう理由で、こうした方がいい」と具体的に指摘していただいたんです。プロフィールも単なる経歴の羅列ではなく、「飲食店の方がフォローしたらどんな情報を得られるのか」を明確に書き直しました。

南坊泰司
南坊泰司

川本さんって応援したくなる魅力がありますし、何より見た目からして「食好き」なのが伝わります(笑)。だからこそ、個人のブランディングをもっと強化すべきだと思ったんです。

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川本傑
川本傑

TikTokで踊ってみたり、うまくいかないこともありましたけどね(笑)。でも、そうしたチャレンジを重ねることで発信力が高まり、ホワイトペーパーを出した際には非常に多くリポストされ、大きな拡散につながりました。

南坊泰司
南坊泰司

飲食業界は横のつながりが強く、業界内での「見え方」がとても大切です。少しの不用意な発言が信用を失うこともありますし、逆に丁寧に設計された発信は大きな資産になる。川本さんはその点を意識して改善されたので、ポジティブな評価につながったのだと思います。

川本傑
川本傑

もし意識していなければ、『カンブリア宮殿』に出演することもなかったでしょう。SNSでの発信や日々の活動を含め、「この人なら出てもらえる」と評価していただけたのだと思います。実際、出演候補のリストに名前があり、ちょうど「食」に関する特集を組むタイミングで声をかけてもらいました。小さな発信の積み重ねが、最終的に大きなチャンスにつながったと実感しています。

北尾昌大
北尾昌大

川本さんが『カンブリア宮殿』に出演されたときは、大きな話題になりましたよね。ああしたメディア露出は単なるPR効果にとどまらず、採用や資金調達など多方面での信頼にも直結します。

https://youtu.be/mvrJ4OMfNpU?si=DBn3OohbHkhQQXeN

川本傑
川本傑

そうなんです。スタートアップは常に資金調達や採用の課題を抱えていますが、メディアに取り上げてもらうことで「応援したい」「一緒にやりたい」と思ってくれる人が増える。事業成長のための土台を築く意味でも、代表個人のブランディングは本当に重要だと痛感しています。

南坊泰司
南坊泰司

まさにそうですね。事業のブランドと代表個人のブランドは切り離せない関係にあります。川本さんの場合は「食いしん坊だからこそ、このビジネスをやっている」というキャラクターが、そのまま事業への信頼にもつながっていると思います。

川本傑
川本傑

「おいしいものを食べ続けたいから、この仕事を頑張っている」というメッセージを素直に伝えることで、共感していただける場面が増えました。数字や事業モデルの説明だけでなく、人としての思いやスタンスを示すことも大事だと考えています。

長期伴走が生み出す信頼と、これからの挑戦

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南坊泰司
南坊泰司

ここまで3年以上ご一緒してきましたが、長期にわたり私たちと関わってきたメリットはどんなところにあると感じますか?

川本傑
川本傑

一番大きいのは、事業フェーズが変わるたびに現状を正しく理解してもらえることです。たとえば「今はこのくらいの資金状況です」と30分ほど説明すると、その内容をすぐに踏まえて次のミーティングで具体的な提案を返してくれる。スタートアップにとって、背伸びしたプランではなく、現実に即した支援を受けられるのは、本当にありがたいです。

南坊泰司
南坊泰司

資金調達や採用のように、スタートアップは常に変化の中にあります。外部の支援者が状況を理解せずに「ワンチャン狙いましょう」と言うのは、むしろ危険です。川本さんの場合は資金やリソースの制約まで共有していただけるので、最適な伴走ができているのだと思います。

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北尾昌大
北尾昌大

僕らとしても、単なる「クリエイティブ担当」ではなく、マーケティングやPRまで含めて全体像を理解することを大事にしています。スタートアップには明確な正解がないからこそ、複数の視点でブレストしながら進めることが重要なんです。

川本傑
川本傑

プロジェクト単位で関わる会社は多いですが、こうして3年以上継続して伴走していただいているのは本当に珍しいと思います。もちろん休止期間もありましたが、その間も「やめよう」とは言わずに待っていただけたのは大きかった。スタートアップは課題を解決すればまた新しい課題が出てくる。その繰り返しだからこそ、必要なときにすぐ相談できる関係はとても心強いですね。

南坊泰司
南坊泰司

私たちも「一生頼り続けてもらう」ことをゴールにはしていません。仕組みを社内に根付かせ、回せる部分は自社で運用していただく。そのうえで新しい挑戦や大きな壁に直面したときに声をかけてもらえるのが理想の関係だと考えています。

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川本傑
川本傑

まさにそうですね。今後はBtoB戦略をさらに強化し、「仕込みに困ったらシコメル」と業界で第一想起される存在になりたい。そのためには広告やチャネル戦略を磨くだけでなく、飲食店経営者が「一緒に取り組みたい」と思えるブランドを築くことが不可欠です。飲食業界は単に食を提供する場所ではなく、アパレルや劇場のように世界観を表現する場へと進化しています。だからこそ、シェフや経営者がアーティストのように見られる時代に、僕たちも並走していきたいと思います。

北尾昌大
北尾昌大

その未来像に一緒に向かっていけるのは、僕らにとっても大きな楽しみです。

南坊泰司
南坊泰司

スタートアップに正解はありませんが、「経営者と同じ目線で考える」ことこそが私たちの役割です。これからも川本さんと共に、新しい挑戦を積み重ねていきたいですね。

川本傑
川本傑

スタートアップの経営者にとって、状況を理解し、伴走してくれるパートナーの存在は何よりの財産です。

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